「健康のために運動しなきゃ…」と思っても、なかなか続かないことってありますよね。そんなときに気軽に始めることが出来るのはランニングです。
特別な道具は必要なく、最低限シューズさえあればすぐに始めることが出来るシンプルさが魅力です。
実はランニングは、体力づくりだけでなく、心の健康に良い影響を与えることが分かっています。また、走ることで気分がスッキリしたり、夜にぐっすり眠れるようになるなど、日常生活を前向きにしてくれる効果があります。
この記事では、ランニングがもたらす健康へのメリットを分かりやすく整理してご紹介します。
この記事を読んで「ちょっと走ってみようかな」と思えるきっかけになればうれしいです。
身体の変化

心肺機能の向上
ランニングの効果として代表的なのが心肺機能の向上です。ランニングのような有酸素運動を行うことで心肺に負荷がかかり、呼吸筋・心臓の筋肉が強化されます。
呼吸筋が鍛えられることでより効率よく酸素の吸収、二酸化炭素を排出することが出来ます
心臓では心臓の筋肉(心筋)が鍛えられることで、心臓1回の収縮で送り出すことが出来る血液量が増加します
呼吸筋の強化により肺では効率よく酸素と二酸化炭素の交換が効率よく行われ、心臓では送り出すことが出来る血液量が増加するため、全身に酸素がまわりやすくなり持久力がついてくるようになります。
しかし、心臓の強化はある程度の会話が出来るような低強度の有酸素運動でも強化が期待出来るとされていますが、肺の強化は息切れが出るくらいの強い強度の有酸素運動が必要とも言われており、肺の強化を目的とする場合はインターバルトレーニングが必要とも言われています。
呼吸筋の強化(肺で多くの酸素・二酸化炭素の交換ができる)
心臓の筋肉強化(心筋の強化)
筋力・骨の強化
ランニングは足を主に使う運動ですが、足を動かすランニングを継続することで足の筋力向上が期待出来ます。また、ランニング中の姿勢を維持するために、体幹の筋肉も鍛える効果が期待されます。
さらに、ランニングを坂道で行うと筋肉の負担が増えて、より体幹・足の筋力強化が期待出来るようになると言われています。
ランニングは一瞬両足が宙に浮き、足を接地する運動です。そのため、足を接地した際に身体には衝撃が入ります。この衝撃が骨の刺激を与えることで、骨を強化し骨密度を上げる効果が期待出来ます。
体幹・足の筋力強化
坂道でより筋力強化が期待
血流の改善

ランニングのような有酸素運動を行うと筋肉などの組織で毛細血管が新しく作られたり、血管が拡がりやすくなる効果があると言われています。
ランニングのような有酸素運動は筋肉を使い続ける運動です。筋肉を使い続けるにはエネルギーを生成し続けることが必要であり、長時間エネルギーを生成するには酸素と脂肪が必要です。そのため、身体は毛細血管を増やしたり、血管を拡張しやすくすることで血液と共に酸素を循環しやすくすることでエネルギー生成の効率を上げようと変化します。
結果的に、毛細血管が新しく作られる・血管が拡がりやすくなることで全身の血流が良くなることが期待されます。
毛細血管を新しく生成・血管が拡張する能力向上で血流改善
脂質代謝の改善
肺・心臓の強化、毛細血管の新生・血管の拡張などにより、酸素を体内に吸収し循環する能力が上がることで脂肪を使ったエネルギー生成の効率が良くなります。
筋肉を動かすエネルギーを酸素・脂肪を使って生成するということは、脂肪をエネルギーとして使うことが出来るため、脂肪の代謝向上が期待出来ると言われています。
酸素を取り込む能力向上により脂質をエネルギーとして使いやすくなる
メンタルの変化

ストレスの軽減
ランニングをすることで、幸せホルモンと呼ばれる「エンドルフィン」や精神を安定させるホルモンである「セロトニン」が分泌されることが分かっています。
また、反対にストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」を安定させ、ストレスが安定化するとも言われています。
そのため、ランニングを継続することは”幸福感やリラックス感を得やすい”・”イライラしにくい”という効果が期待出来るとされています。
幸せホルモン・精神安定ホルモンの生成、ストレスホルモンの安定でストレス軽減
睡眠の質を向上

ランニングをすると疲労感で寝つきが良くなり、深い睡眠が得られやすくなると言われています。実際にランニングを含む中等度の有酸素運動は、深い睡眠を増やすことが研究で示されています。
これはランニング中は交感神経が一時的に優位となりますが、ランニング後は副交感神経が高まることで身体はリラックスモードになると報告されています。また、ランニングにより一時的に深部体温は高くなりますが、運動後に深部体温が下がることで眠気が強くなり、自然に深い睡眠に入りやすくなることが考えられています。
深い睡眠が増えると、成長ホルモン分泌が促進され、疲労回復・免疫機能の向上に繋がるとも言われています。
自律神経・体温の変化により入眠しやすく、睡眠が深くなる
自己効力感の向上
ランニングのような運動を継続することで「やり遂げた」という達成感を得ることで自己効力感を高める効果が期待されます。自身で決めたことをコツコツと達成していく、成功体験は自己効力感を高めることが分かっており、理学療法士によるリハビリでも重要視しています。
達成感で自己効力感の向上
日常生活の変化

疲れにくくなる
ランニングを継続することで日常生活を過ごす上で疲れにくくなることが期待されます。
これは心肺機能の強化・毛細血管の新生と拡張機能向上による酸素・脂肪を使ったエネルギー生成の効率向上や筋力強化により日常生活を過ごす上で余裕が生まれるからです。
筋力強化の例として、階段を足の筋力の70%を使って昇る人と40%の力を使って昇る人では後者の方が疲れにくいことが想像できると思います。
以上からランニングは”エネルギー生成の効率向上”・”筋力向上による筋肉に余裕が生まれる”ことから日常生活で疲れにくくなる効果が期待出来ます。
心肺機能向上・血流改善によるエネルギー生成の効率向上、筋力強化で疲れにくくなる
コミュニティの広がり
ランニングのように手軽に始めることが出来る運動は、意外と多くの方が行っています。ふと、外を歩いている時に走っている人を見かけることはあるのではないでしょうか?
ランニングを行うことでランニング仲間やイベント参加などを通じて交流が広がることが期待出来ます。
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