自宅でも簡単に出来るエクササイズの1つとして「ストレッチ」があります。ストレッチを行うと身体に様々な効果が出てきます。
柔軟性の向上、血行促進、疲労回復、姿勢の改善、リラックス効果など様々ですが、ストレッチといってもゆっくり伸ばしたり、反動を付けたり、短い時間、長い時間、回数など考えることはいっぱいです。
ストレッチは目的に合った方法で行わないと期待するような効果は出てきにくいと思われます。
ここでは、初心者向けにストレッチを効果的に行うために知って欲しいことをお伝えします。
ストレッチを効果的に行う方法:ストレッチ前に循環を促す
ストレッチを効果的にするための種類・時間・休憩時間・頻度
ストレッチの種類
ストレッチにはゆっくり伸ばすストレッチ、反動をつけたストレッチなど様々な方法があります。
身体を柔らかくしたい・柔軟性を向上したい場合のストレッチは、ゆっくり伸ばした状態を維持するストレッチが最も効果があったと報告しています。
反動をつけたストレッチは最も柔軟性向上に効果が現れにくかったとされています。
なぜ反動をつけたストレッチは効果が出にくい?

筋肉はいきなり伸ばされると、筋肉の中にある組織が筋肉に力をいれようとします。急に伸ばされると筋肉を収縮させようとする組織は、筋肉が伸ばされる速度に反応にするため、速く伸ばされるほど反応して筋肉に力を入れようとします。
筋肉に力が入らないようにリラックスした状態で伸ばすことが出来るように、勢いや反動を付けずにゆっくりと筋肉を伸ばすことがポイントです。
ストレッチの時間
身体を柔らかくする・筋肉の柔軟性を向上させる目的である場合、ストレッチの時間は1回当たりの30秒間行うと効果があるとされています。
筋肉を伸ばす時間が1回当たりの時間が30秒を下回ると柔軟性の向上に効果が出にくい可能性があるので、伸ばした状態を30秒維持することが大切とされています。
また、ストレッチ1回当たり30秒と1分・2分を比べた研究では、どれも柔軟性は向上しましたが、柔軟性向上の度合いに違いが無かったとされています。
つまり、ストレッチ1回当たりの時間を30秒以上伸ばしても効果に違いがないということなので、1回当たり30秒を複数回繰り返すとよいということになります。
ストレッチの休憩時間

ストレッチ中は筋肉が毛細血管を圧迫し、筋肉は血行不良状態となります。しかし、筋肉が伸ばされた状態から解放されると、筋肉には圧迫されていた毛細血管から血流は一気に流れていきます。この血流が流れていく効果は、ストレッチを行った時間とほぼ同じ時間続くと言われています。
そのため、ストレッチ間の休憩時間はストレッチで筋肉を伸ばした時間と同じにするといいと思われます。
ストレッチの合計時間

ストレッチはどれくらいすればよいのでしょうか?ここでは1週間単位でストレッチの合計時間についてお伝えします。
1週間のストレッチ合計時間が5分以下よりも10分以上であると、より柔軟性が改善したという報告があります。
ストレッチは1週間単位で、合計10分以上行うようにすることをお勧めします。ストレッチ1回30秒とすると20セットです。
ストレッチの頻度
ストレッチは週何回すればいいのでしょうか?1週間のストレッチの頻度を調べた研究では週6回までは頻度が多いほど効果が出ているようです。
より効果的に身体の柔軟性を向上させたいのであれば、出来るだけ毎日ストレッチを行う方がよいかもしれません。
参考文献
参考文献1:Ewan Thomas et al:The Relation Between Stretching Typology and Stretching Duration: The Effects on Range of Motion;Int J Sports Med 2018; 39(04): 243-254
参考文献2:Shigeru Sato et al:The acute and prolonged effects of 20-s static stretching on muscle strength and shear elastic modulus;Published: February 6, 2020